微熱/
蒼木りん
私に許された我儘は
髪を長くのばすこと
怠惰は
必要だから眼を瞑る
求めれば
眼が啓く
ずいぶんと永いこと
誰も私に気づかない
気づかないふりで
私はそこに居ない
ぶり返す恋心は
重い荷物を降ろした後
しおしおと来た
今夜は
満月のようだ
風がやむ
こんなときに何故
熱をもつ乳房
布一枚の裸体
剥いでしまえ
髪で隠された情熱は
分け入って
あなたに見つけて欲しい
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