奇形と世界/葉leaf
四つ葉のクローバーはたまにあった
摘んでみると奇形だということが分かった
君もまた奇形だった
五体満足だったが理知の骨がない
幼年の輝く混沌、その奇形
大きな闇に覆われ、大きな光に開かれていた
すべてを見つめる瞳はすべてを見抜けなかった
蝶に差し伸べた手を
大人にも差し伸べるのだ
君にはそれができなかった
夕暮れには全てが溶けていって
月には全てが集まっていって
あまりの見事さに
君はさびしかった
朝には鳥たちの声が散らばり
通学路には草の花が散らばり
あまりの豊かさに
君ははずかしかった
おやつの時間は
世界の始まりよりも早い
遊びくたびれて帰る時間は
世界の終わりよりも遅い
あの子からもらったチョコは
隠したけれど家族みんなが知っていた
それは世界の大きさよりも大きかった
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