あいづち/灰泥軽茶
 
何のために作られてたか定かではない
もうとっくに誰も君の事なんか
忘れてしまっているよ

トーテムポールが森の中で
うんうんうんうん
あいづちあいづち

いつも何か言いたそうな顔ばかりで
結局は何も伝わらないこの空しさ

うんうんうんうん
あいづちあいづち

あいづちばかりしている
トーテムポールは
一番下から地面へめり込み消えていく

私の独り言は何もなかったように
初めからそんなことには気にしていなかったように
森の木漏れ日と共に揺らいで
身体の中へ暖かい光を帯びて沁みていく




戻る   Point(13)