路地を歩くメモ/オイタル
ぼくは、このメガネは、二年くらい前に買ったものです、
近くの眼鏡屋さんで。
最近はほんとに目が見えなくなって。
遠いところも近いところも、ね。
このメガネも、多分目にあわなくなってきているんですね。
なんかいいものが落ちていないか、キョロキョロしながら路地を歩きます。
なぜかな。街の象徴なんですかねたぶん、路地は。
下着のばあちゃんとか、売春婦とか。
しっぽの折れた猫とか、
下手くそな自転車乗りのおっちゃんとか(不思議にぶつかんないんだよね)。
そういうのが出てきそうでしょ。
夏の路地裏って半分墨で塗ったみたいに真っ黒なんだけど、
入っていくと、少しずつ水を注ぎ足すみた
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