夜桜/
nonya
微かに震える
指先で闇に
縋ろうとする
あなたの薄紅の
吐息がひとひら
わたしの頬を掠める
見上げる
わたしに言葉を
飲み込ませ
むせ返るような
吐息を幾重にも
重ね着したあなたは
春の酔いに
麗しく
浮かび上がるばかりで
決して闇を
その腕に
抱き締めることはできない
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