都電病棟/紀ノ川つかさ
まるで葬式みたいな生活風景
まったりと天国へ向かってさ
まったくもって小さな幸せとやらで
満面の笑みなんて浮かべちゃって
地面を這い回る虫みたいな
虫けらみたいな
蛆虫みたいな
あれはみんな正常と診断させられた奴らです
あの中にも偉い偉い作家がいてね
自分達がいかに取るに足らない
下らない屑みたいな存在かと
言葉巧みに綴るんだけれども
どうすりゃそこから脱出できるか
一言も書けなくてね
それゆえ この上もなく
極上の とびっきりの
屑な存在になりましたとさ
洗剤で顔でも洗ってろ虫けら
先生は神様だったヘレン・ケラー
現代の僕達は五感が少々イカれております
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