初夜/
たもつ
曖昧な更衣室で
僕らはすべてのものを
等号で結びあわせた
軟らかい材質でできた身体は
嘘をつくことが
何よりも得意だったから
花粉の積もった改札を抜けると
溢れだす人という人
紙という紙
忙しくて悲しいものは
とっくにパパとママが
壊しておいてくれたよ
とろけるような午後の仮庁舎
確定の申告をして帰る
はじめまして
川沿いのソメイヨシノは
少しずつ咲き始めた
これからずっと
いっしょにいようね
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