海の住人/みもる
何もかもくだらなく思えてきて
途方もない真っ直ぐな道を当てもなく歩き続けていた
しばらくすると海が見えてきて
老若男女が海辺や海に入って楽しくやっていた
誘い込まれたように
気がつくと海辺に立っていた
僕も海に入って楽しもうと思ったけど
想像以上に海の水温は冷たく たじろぐ
意を決して引き潮に合わせて足を踏み入れると
すんなり海に入ることができた
と思ったら
満ち潮にあっさり押し返されてしまう
どんなに頑張っても
進んでは戻され 進んでは戻されの繰り返し
やがて僕は疲れ果て
その場に立ち尽くす
あの子供たちは
どうやってあんな沖合い
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)