海の住人/みもる
 
何もかもくだらなく思えてきて
途方もない真っ直ぐな道を当てもなく歩き続けていた

しばらくすると海が見えてきて
老若男女が海辺や海に入って楽しくやっていた

誘い込まれたように
気がつくと海辺に立っていた

僕も海に入って楽しもうと思ったけど
想像以上に海の水温は冷たく たじろぐ

意を決して引き潮に合わせて足を踏み入れると
すんなり海に入ることができた

と思ったら
満ち潮にあっさり押し返されてしまう

どんなに頑張っても
進んでは戻され 進んでは戻されの繰り返し

やがて僕は疲れ果て
その場に立ち尽くす

あの子供たちは
どうやってあんな沖合い
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