出航する朝/たもつ
 
 
 
眠れない羊が 
僕の数を数えている  
僕が一人、
僕が二人、
僕が三人、 
僕は増え続ける
ため息のように鳴いて
羊は順序良く
僕を整列させる
そのようにして夜は明け
羊は眠たい目をこすりながら
坂の下にある
古い港へと向かう
蒸気船に乗り
次の陸地で
次の僕を数えるために


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