転がる花/よしたか
(孤独模様)
その輪郭を3月の指先でなぞろう
死者を弔うように震える花を振りまこう
淵と淵から鳴った川のセセラギに振り返った
君が歩き出す先には
似た景色と
似てるようで違う景色
違うようで同じ景色
同じなのに輝く景色
また、全く新しく映るようで
繰り返されていた景色もあるだろう
それから集積されて
気づけば立っている
ひょんな地点から見えて
見えない景色もあるぞ
それは誰かさんもなんだぞ
理屈も屁理屈も袖にしてしまう
降り積もる感情体験の雪からこしらえたカマクラに
君だけに特別な
なんてことはない一個があるだろう
僕僕僕
私私私
俺俺俺
誰誰誰
覚えている花の名も
忘れてしまった花の名も
覚えられない花の名も
思い出せない花の名も
これからの開花に震えて
みんなその一個に見事に染みている
それは誰かさんもなんだぞ
君 君 君
お前お前お前
貴方貴方貴方
誰 誰 誰
人 人 人
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