路上/吉岡ペペロ
 

きのう駅までの坂道をのぼりきったところで倒れた

こんな感覚はじめてだった

喫煙所のスーツたちが対面の病院に連絡してくれた

あまりに近かったものだから乗用車で迎えに来てくれた

そのあいだも馬鹿みたいに留守電のコールを聞いては消していた

それをなんども無感動に繰り返していた

ふだんは高くない血圧が上昇していた

お酒も飲んでいないのでストレスだろうとのことだった

副交換神経がぶっこわれているのかも知れない

医者の説明を聞きながら早く抜け出したくなっていた


深呼吸

動悸

考えない

深呼吸

動悸

考えない


きのう駅までの坂道をのぼりきったところで倒れた

こんな感覚はじめ
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