また時の流れに打ちのめされる/寒雪
 
いつでもそうなんだ



息をするのが苦しくなって
それでも黙っていられなくて
駆け下りてばかりの坂道を
ひたすら駆け上がって
上りきった坂道の頂上で
沈んでいく茜色を偽装した
弱弱しい太陽の残像
肩の関節が外れてもいいやと
手を伸ばしてみても
近くにいる人が驚くくらいの
大声で呼び戻してみても
太陽はちっぽけなぼくを
毎日毎日踏み潰して
地平線を跨いで消えていく



いつだってそうなんだ


いつ明けるのか
時計を見失ったぼくの手首では
到底判断もつかないくらい
長く冷たくぼくの心を
抱きしめてしまう夜の黒さ
捕まりたくなくて
青ざめ
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