二宮考/salco
府中市立白糸台小学校
校庭の一隅には珍しく
二宮金次郎の銅像があり
刻苦勉励・立身出世de官僚の道
総身黒ずんだ彼は
歩を運ぶ態勢で停まっておるので一見わかりづらいが
用心しいしい後ろ歩きをしている
彼はアポロ計画とM・ジャクソン以前のヒト
すると背負っているのは当然
薪ではない竹籠である
すると手にしているのは
書物ではなく芥ばさみ
その行動学は読書でなく勉学ではなく
拾集もしくは後始末
後退軌道で拾うのは
栗ではなく己が糞
退行二宮
彼にはメモワールしかない
脱糞・拾集の無限軌道
はや二十一世紀も二十五年
こんな事には昭和の内に気づくべ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)