できごと/うんち
 
ぼくは
ちいさなてのひらで
ちいさな熱を
にぎって
突っ立っていた。

そしてぼくがそのドアを開けたら
そこにはちいさな少年がいた

ぼくよりももっともっと熱い熱を
あふれさせた少年が
熱い涙を音もなくほろほろと落しながら
ちいさくうずくまっていた。

彼の体は少しずつ燃えていた。

ぼくはなにもしなかった。

なぜならその炎が
見たことのない
美しい色をなして
燃えていたからだ。

ぼくはただ棒のように突っ立っていた。
戻る   Point(2)