できごと/
うんち
ぼくは
ちいさなてのひらで
ちいさな熱を
にぎって
突っ立っていた。
そしてぼくがそのドアを開けたら
そこにはちいさな少年がいた
ぼくよりももっともっと熱い熱を
あふれさせた少年が
熱い涙を音もなくほろほろと落しながら
ちいさくうずくまっていた。
彼の体は少しずつ燃えていた。
ぼくはなにもしなかった。
なぜならその炎が
見たことのない
美しい色をなして
燃えていたからだ。
ぼくはただ棒のように突っ立っていた。
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