砂の街/
灰泥軽茶
頭からすっぽりと
覆面をした人たちが歩いている
何十年か前には
こんな恰好をした人たちはいなかったのに
今では当たり前になっている
街は砂で埋もれている
身体の中に蓄積された砂は
関節を曲げるとこっちからあっちへ
流れて行くのがよくわかる
今日も砂でかすむ街
幻灯機で映しだされる
ぼんやり光が
全てのものを曖昧にし
今にも崩れてゆきそうな砂の街
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