おとかげろうし/石川和広
 
若干 死ぬ気持ちが 薄れるときがある なんとなく 変な感じである
こぼれそうな雲の厚い切れ間から母の頭が うなだれている

ソウルケージとはスティングの曲だったか
たましいの鳥籠の隙間を そっと 抜けたような

たぶん いきものの じぶんに 還っている


また明るい死にたい気持ちが 昼寝する ある男の鼻の穴に 入りつつある
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