大渡橋(朔太郎によせて)/
マチムラ
風が歯ぎしりをする私の下
利根川はがりりと防波堤を喰っている
松林は首をそろえて灰色
唸る雲が赤城山の向こうから向こうから
艦隊を組んでやってくる
大渡橋を越えて榛名へ向かう道すがら
ぼんぼりのようなうすあかりを
病みつかれて歩いている
畸形の犬を横目に
営業車のアクセルだけが
長い渋滞の列に挟まっている
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