三月/
マチムラ
うらうらの生き物の吐く息が
硝子だった空気をぬかるませ
希望と期待とに重くよどんで
風景は薄くかすみがかったよう
夢のよう ひとはいう
散るさくら うつくしいという
まだ咲かないさくらの樹液は赤
つぼみが爆発寸前に生きづいて
三月の速度に もつれ足になる
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