隠喩について 詩と向き合う/葉leaf
 
成長するのを見守る」の方が適切かもしれません。立ち去るということは置き去りにするということだからです。
 このように、隠喩とは、読み手に対して文字通りでない解釈を迫り、読み手がその表現に類似する複数の意味の候補を連想することを要求し、さらに、その中から文脈に照らして適切な解釈を選択することを要求します。「にくしみを植える」は、一応「にくしみを一旦置き去りにしながらも、のちにそれが成長するのを見守る」と解釈できるのではないかと提案しましたが、ほかの解釈も十分可能だと思われます。例えば、「にくしみを大地に定着させることでより強固なものとする」など。
 だから、隠喩は、まず読者を当惑させ、次に読者に
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