群青三月の課題詩「愛」 「途上にある者」/木原東子
「途上にある者」
われわれはあなたへ向かっている
神よ、あるいは名も無い者よ
あるいは不在の者よ
古代の人間が考えた神話の神々
もうお呼びじゃない
怒りの神、復讐の神、審判する神
いい加減にしてくれ
権力者が権威づけに利用した神
それは通用しない21世紀
ついにあなたを追い詰めた
少なくともその道筋はわかった
そう願うのは正しいか
無限とも見える時空を制する法則の権化
偶然と必然の混合物なのか、神よ
複雑系を見事に計算し尽くす超絶計算機なのか、神よ
いまだに愚かなままの人類
愚かなりに協力してあなたの影を慕いゆく
神よ、われわれに
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