水脈/
たもつ
台所の片隅で
シーフードカレーが腐っている
作ってくれた人は
新しい冷蔵庫を買いに行ったきり
帰ってこない
蛇口からシンクに落ちた水滴が
一筋の水脈となり
排水溝へと続く
何か行事でもあるのだろうか
賑やかな声や音が聞こえてくる
もう僕という存在について
説明する相手もいない
多分、狂おしいほど
生きることに恋い焦がれていた
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