地下鉄/
たもつ
剥がれないようにして走る
名前を失った
低い温度のままで
足元を照らす僅かな灯りを
希望と呼ぶこともなくなった
脆い身体は既に
言葉の繰り返しとなり
穏やかに壊れ始めている
それでも決して忘れない
もう空を見ることができなくても
かつて嗅いだその匂いを
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