紙飛行機/
灰泥軽茶
久しぶりに紙飛行機を作ってみて
狭い部屋の中を飛ばして見た
ひょいっと
指先から放たれた私は
少しの間だけ時を止めて
音を吸い込み色を無くし
透き通った羽を生やして空間を漂い
壁にこつんとあたり
呼吸をはじめ
体中から音を弾き色を生やし
再生していく
床に墜落した紙飛行機を手にとろうとすると
うすいチラシで作られた羽を
ふわりふわりと頼りなく動かし
つかまえようと手を伸ばすと
気流に乗ったかのような動きをして
壁の中に消えていった
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