クリスマスの美学。/かのこ
 
サンタクロースのお話は好きだ。
それは、聖夜の前日に素敵なプレゼントを配るから好きなのではなく、
サンタクロースが赤と白の服を着た、おひげの立派なおじいさんだから好き。
(煙突から落ちるから好き、とか、赤鼻のトナカイに乗ってやって来るから、というのもある。
ただ、現代の家々には煙突がないとかいう、そういう小学生染みた話はまた別の次元で面白いと思うけど。)

「サンタさん、幸せを下さい。」
「さみしいだなんて、悔しいから絶対言わない。」
ちっとも可愛いとは思わない。
ロマンチックでもなければ、切なさもない。
増してや「今年も女同士のむなしいクリスマスです(泣」とか。

でも、
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