雨フル傘フル/
灰泥軽茶
ビニール傘から眺める景色は
どこか私がもう存在しない
未来の街を眺めているようだ
柔らかくて弾力のある筋肉で覆われた景色の下には
機械化された金属のリズムとメロディが
コンピューターによって
軽くて優しくて残酷で儚い気持ちにさせられるから
ビニール傘をくるくる回して雨粒が飛ばす
すると光の粒が乱反射して一瞬
私を粉々の粒々にして
幻の彼方へ連れていってくれ一瞬のうちに
また硬いコンクリートの上に連れ戻してくれる
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