ホテルドランカー/ブライアン
銀行は、シャッターが閉まっていた。もう、夜。それは東京だって同じこと。不便?尋ねている声に、構わないよ、と手を振る。
東北は雨です。
いつまでも、いつまでも雨が降っています。
後悔を嘆く人を探して、ここまで戻ってきたみたいに、
雨が、とても悲しくて仕方がない。
車の光が反射して、道に輝いている。ぼやけた光の輪郭が、
お好み焼きのようだ。
彼女はイヤフォンをしてこちらを振り向く。
大丈夫、話しかけてないよ。
そのまま去っていく。たぶん勾当台公園の方へ。東京は帰るべき家じゃない。
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