ホテルドランカー/ブライアン
 
 東北は雨です。

 夕方、歩道橋の上で東京へ帰りたいと話す女子高生。彼女の家は勾当台公園の近く。隣りを歩く子が、あんたんち、東京なの?と笑う。そうそう、と彼女は答えた。東京から毎日、新幹線で通ってんの、と。
 店から外に出ると、すでに辺りは暗かった。夕方の赤焼けを見ることは出来なかった。西の空にわずかに名残はあった。街は光に灯され、明るかった。
 仙台はコンコースが発達しているから、と爪楊枝を指揮棒のように振るう初老の男。地下に街は出来ない。かつての若者たちはスーツを着こみ、疲れている。パソコンの前で眠っている。
 値上がりしたラーメンが人気を博している。昔は、こんなに高くなかったはず
[次のページ]
戻る   Point(0)