星を転がす少年 Ver.3/まーつん
静かな寝息を立てる
緑の大地の上を
少年の影が横切る
手元に押すのは 星の赤ん坊
草の上を 雪だるまのように転がして
地面から伝わってくるのは
全ての命が見ている夢
ミルクのように吸い上げて
星の赤ん坊は ころころ
ころころと 大きくなる
後に残した轍には
光る苔が緑に瞬く
星の赤子は
夢いっぱいに膨らむと
やがて 少年の手元を離れて
ひろい夜空に 舞いあがっていく
新しい家族の一員として
星の海に 迎え入れられるために
それを見上げる少年
さようならと
手を振ることもなく
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