ハードル/三田九郎
 
なんだ

どうしたんだ

僕は時間なんかに流されちゃいない

ただの一度だって 流されたことはない

僕は 確かにここに こうして いて

じっと ずっと 僕であり続けている

流されていったことなど一度もない

わからないことをわかったように済ませ

知ったふうなすまし顔などできはしない

ハードルが 次々 眼前に迫り来る

飛び越え方、教えてもらったことなかったな

月曜が来る

月曜の夜明けが 朝が 昼が来る

火曜が 水曜が 木曜が来る

時間が勝手に 押し寄せてくる

七時になり 十一時 十五時 二十二時に

そのハードルに
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