レジャーシート/三田九郎
冬枯れの頼りない細木
足下を行き交う命
土くれの闇から水脈は空へと伸び
諦めかけたものから いまいちど
清らかなものが生まれいずる 予感
雲ひとつない空 薄く延びた青
寝転がって見上げると
投げ出したくなる命の重たさも
こともなげに受け取る大地
包み込む空 空
自分が存在する
その重たさに耐えかねる日には
手も足も
時計もみんな放り投げて
公園に寝転がる
レジャーシート忘れちゃった
目を閉じて
深呼吸してみる
芽吹きの香りをまとった風が
微笑して過ぎてゆく
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