これからはあの子を探し続けるよ見つからなければ独りで死ぬさ/木屋 亞万
 


真っ暗な画面じーっと鳴るテレビたぶん僕らはゲームオーバー

片恋の想い出せない秋の空思い出せない女の心

どうしても越えられぬ壁吹き荒れる風から僕を守る日もある

金色にかがやく水を飲む君の喉元光る透き通る肌

排ガスに融かされた雪の黒ずみのような初恋話を聞いて

血管の毛細模様の枝ぶりのかさぶた全部剥けたみたいね

ええぶいをみるときとくにあしおとにびんかんになるじゅうごのこころ

一等の星から爪で削る夜青い下地が見えてくるまで

恋人の街に溢るる年末になおあまりある我が身なりけり

ぱみゅぱみゅを丸呑みしちゃう勢いで巳年が口を開けて待ってる

来年はおなごの側でかわいいとのたまうだけの生き物になる

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