星の砂/Neutral
 
星が輝く夜空
私には
闇を切り取ったキャンパスに
砂を散りばめているように見える

世界に輝く星のほとんどは
ほんとうに
誰も知らない名無しばかり
彼らはただ静かに今日も
誰かに見つけて貰えるその時を待ち続ける
まるで家電量販店に展示される
商品のサンプルの様に

あるものは
その輝きを
寂しい、と例えた
もはや人工の輝きでしか照らせない世界でも
外の世界に手が届くくらい
人間も背伸びを覚えたということね

彼はあの時確かに
星空から掬ってきた、と言ってた
ふしぎな人
その儚い想いは
掌から零れ落ちながらも
確かに淡く燃え

誰かに伝えたいと思われて
幸せだったはずでしょう
みんなに分けてあげたいと言われて
報われたはずでしょう

やっと誰かに掬って貰えた
その星の砂は
ポケットや手の中、心の奥でまた
熱を帯び始める
誰かからまた誰かに手渡しされながら
億万の心と魂が今日も受け継がれてゆく

誰かに伝えたい
みんなに分けてあげたい


億万の愛の海を泳ぐ
私の本当に
愛しい


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