動機/三田九郎
一 「詩人」について
柴田トヨさんの訃報があってすぐ、NHKの朝のニュースで加島祥造さんを見た。こういう人達が「詩人」とくくられてしまうのには、正直、違和感がある。相田みつをさんもそう。宗教的な悟りを交えた諭しのようなものを、果たして詩と呼んでいいのだろうか。
例えば『現代詩手帖』などを手にして、いわゆる現代詩と呼ばれるものを書く人達の詩を読んでみても、違和感は拭えない。これが詩なのだろうか。こういうものを書くのが「詩人」なのだろうか。現代詩の場合、正直に言って、そもそも意味が分からない。僕が不勉強だから意味が分からないということなのだろうが、読み手に学びを強いるようなものは趣味じ
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