予防線/村正
 
空が白むのを眺めている


朝より早く夜が終わる


どこかにひとりでいる君


目覚ましはもうない




諦めの塔の頂上の


はがれかけの立て札


同じ感性たちのルールで汚れた


ノートには確認できる




螺旋階段を這い上がると


夜が静かに下りはじめた


もたつく月の溜め息


くらくて目を閉じた




指で囲んだ足元がかすむ


壁の向こうは見えていた


太陽が上る前に彼が戻ったら


どうか叱らないであげてほしい


あの砂漠がまぶしくても


目は開けたま
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