道路/
寒雪
人が歩くから道になる
呟いた詩人の言葉を
あざ笑いながら
目の前に広がる
誰一人いない
アスファルトを見る
人が歩かなければ
草が生えるはず
漆黒の帳が
背中の上から
ぼくを押しつぶそうと
夜が明けても
草は生えない
道をほしいと言ったのは
詩人の言葉ではない
当たり前のことを思い
一人太陽の下
立ちつくす
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