沈黙/tomtom_poem
 

同じ沈黙でも

声が途切れる
そしてまたその声も
しかしまだ口琴を鳴らした手は
動いている
ゆっくり下に
降りてくる
見守る静寂は張りつめている

溶暗―すべての人工的におこした光を消し去った― 闇の中
セッションは終わった
ギターの撥ねる音、キイボードの高い音―それらは人工的におこされた波だったが―
音は途切れた
しばらく薄闇
演奏した人は動かない
静かに緩んでいる
この時空を共時体験した人々は
もう終わったのだと
決して思いはしない

灯りを望まない
ただひたすら
この何もない《場》

この至福感
つながり
手と手でなく
気と気の
安らぎ

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