明くる日の丘/山中 烏流
風に騒ぎ立てる木の葉の影を踏んで、はしゃぎまわる
子供たちを見ていた
庭先で香る金木犀を指して
あなたは今日も
幸せそうに、笑う
*
恥ずかしいものばかりを選び取って
名前を付けては
過ぎ去っていく/遠くなる
日々、
思い思いを口走った彼らが
瞬く間に消えていってしまうのを
わたしたちは
いつも、いつまでも、いつになっても
カーテン越しに見送った
耳鳴りのように
それ
は、すぐ近いところで
わたしの名前を呼んでいる
残像のように
あなたの手を引いて、丘を下るわたしの影と
綺麗な花が揺れていた
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