電信柱の陰からゴジラが顔を出した/tomtom_poem
アスファルトの歩道の隅から
コンクリートの無骨な電信柱が
びゅーんと垂直に伸びていて
アスファルトとコンクリの
わずかなすき間の土から
緑の草がどーんと伸びている
この伸び方は尋常でなく
もしかしたら、
放射能による変異なのか
だとしたらこの青さは
ゴジラのはく炎にも見えてきた
ふり向くと小柄なゴジラがいた
南方の孤島・ラゴス島に生息し続けていた恐竜ゴジラザウルスがビキニ環礁の水爆実験で発生した放射性物質を浴び怪獣化した身長50メートルの奴だ。
そいつがいま眼の前にいる
私とほぼおなじ高さの目線で
放射能火炎を吹きやがる
ベーリング海で眠っていたゴジラザウルスは放射性廃棄物の影響で怪獣化、加えて原子力潜水艦襲撃時に吸収した核により身長が100メートルになった奴だ。
そいつがさっきいた電信柱
無機質なコンクリの肌
ザラザラ
放射能熱線と引力放射能熱線放射
発狂した科学者の行った核実験により壊滅したバルタン星からやってきたその人は
ニッポンの電信柱の陰から
ベロを出した
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