落 葉 日/ティナ
 

   銀杏並木通り 風が舞う
   銀杏と風は 戯れ遊び
   ふと出逢う 街角

   信号待ちのフロントガラスに
   一枚の銀杏葉が 蝶のように舞い降り
   気まぐれな風とともに 雑踏のなかへ
 
   落葉日の途道は
   セピアからモノクロへの移ろいゆく速度

   落ち葉は 陽の匂いを覚えているかのように
   季節の移ろいを 懐かしむかのように
   冬枯れの森は 静けさの時を共有している

   根のない羽が散らばり 風に舞う姿はなく
   物語さえない鳥の 羽音が遥かから泣く 
   静寂のなか舞いおりた 飛べない羽根

   遥かなる夕陽が差し込み 輪郭を消していく
   気づかれないないように
   影は 静寂の夜にひっそりと身を隠す 



                初雪は まだ..


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