錐通し/石川和広
 
考えすぎと、たれか云う

しかし、霧の中に一度
入ったもの
考えすぎないと
むしろ、僕の霧の触れるままに
いきる
それ歩みつづけること
はっきりと
終わりのない坂の眺望
辿り着くまでは

考察、たとえ交錯しても
考え歩きつづける影のあゆみの形
素朴の美にならぬ

一本の錐通しで
たこ焼きにも
おれの石頭にも
いい風と光の吹き込むイイ穴を
つくる

そしてそこから
千年分の
縄文杉の
ひとりごとを
盗聴してやる

水の音の暗号に
まるままの
ひろがりの地図
書かれてたらいいな



そう思う

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