終止符/平井容子
 

子らにはすべて名まえがある

物のなかにいる子
鏡を割ったような子
一粒の歯もないままでわらう子
レモンイエローの乳房の子
氷点下で生きている子
それでも
澱とともにあるとうめい
これがわたしたちのスープです

(みる とむらう くきをたおる)

とくべつ細い子の骨は花のように軽かった
もろく些細な詩をくだいた
そんなふうなかたちだった






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