いのち/
たもつ
埋立地から旧市街地へと
続く大通りの歩道
差し込む光に
かつて名前はあった
気の弱い人たちが
背中だけの会話
背中だけの時間
の中でうずくまり、
息継ぎし、
そして動く
なくしたものの重さ、と
なくしたものの軽さ
それらは常に等しいのに
ふと少しの風にも
倒れるものがある
いのち
音を立てるものは
すべて、いのち
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