雪迎え(1)/ブライアン
 
ードの記念コーナーが設けられている。友人たちはみな無学だが、イザベラバードのことは知っている。大学の友人で知っている人はいなかった。

 彼らは無知ではなく、無学だ。知識は無様なものだと考えている。大学へ進学する、と口にした際、友人たちは嘲笑する顔を向けた。今でもその顔は生々しく思い出される。ここでの暮らしで、知識は穀潰しなのだ。
 冬は長く、雪に覆われる。かつての冬は、蚕を飼育し、糸をつむいでいたらしい。今ではもうほとんど目にすることはなくなったが、田んぼの真ん中にぽつぽつと桑の木が残っている。昔の名残だろう。

 冬になると新潟から小国街道を抜けて、ゴゼ様がやってきた。今では整備はさ
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