海岸線/まーつん
 
神様

腹が減ったんだ
俺を愛してくれるなら
カレーライスをおごっておくれ

神様

風が冷たいよ
俺を愛してくれるなら
冬をどこかに追い払ってよ

神様

海が恐ろしく唸るんだ
俺を愛してくれるなら
沈まない船をよこしておくれ ゛


乞食の三つの願い事
三つの小石に刻み込み
祈りを込めて飲み込んだ

曇る寒空は知らんぷり
国道沿いの海岸で
膝をそろえて座る彼

水平線の向こうでは
微かな稜線隆起して
この世を儚む彼の眼に
対岸の夢を仄めかす

儚むな 儚むな

お前の命をだれが知る
お前の心を風が知る

俯くな 俯くな

お前の行く手を誰が知る
お前の足だけが知っている

お前の足だけが 知っている

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