街の絵/月形半分子
 
っているのです。
万とも千ともしれないごみ箱のなかが、こんなにあふれているのですから。
それはそれは、たくさんの、大きなものから、小さなものまでが捨てられているのです。

例えばある日、小さな川がごみ箱に捨てられた時には、たなごにめだかにどじょう、川の側に群生していた野草や野花、しまいには魚釣りの少年や老人までがごみ箱に一緒に捨てられてしまいました。
公園が宅地になった時には、公園ごと、シーソー、ジャングルジム、お砂場、芝生やブランコが、いつも一人で遊んでいた女の子ごと、ごみ箱に捨てられたそうです。
たんぼや畑もごみ箱に捨てられて久しいのですが、今でもスーパーには野菜やお米がたくさん並
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