街の絵/月形半分子
 
精製されていく社会について


ゆるい登り坂が真っすぐにのびて、空に消えています。
その道には、両脇に銀杏並木が等間隔でならび、
それよりも長い間隔で綺麗なアイボリーの鈴蘭灯がたっています。そのとてもお洒落な通りは、白銀杏通りと呼ばれています。
通りにはカラフルな家屋の屋根がならび、どの家の庭もあふれんばかりに花や、木々が植えられ、道に面した集合住宅はどれもシンプルに塗装され、大きな窓の多さが、明るい景観作りに一役かっています。少し先にはスーパーの看板にディスカウントショップの賑わい。全面ガラス張りのカーショップ。今流行りのレストランがあるのです。
歩道の広い石畳を歩いているのは、犬
[次のページ]
戻る   Point(3)