車窓の詩/すみたに
線を流し
純白のゴムが伸びきって切れ
頭の環が気だるげに揺れた
烏のたかる家屋の瓦が
てかてか融けかけ、
蛹が黒々と腫れ上がると
ソーラー発電は頂点を迎える
車窓は私のせいで皹だらけで
小さな色彩環の瞳を浮かべ
赤、視界は占められ、
そこに青、落とされて広がり
一番星が鈴の音立てて消え
次の一番星も殻砕き
泡沫立てて消えさった、
そうして一番星はみな消える
もう現れるものはない
待つ人を裏切る流星は
稜線の架橋を横切って
ぐしゃり一挙に崩落させる
つま先から踏み出した 月影の足元で
地につく私の 膝のはるか彼方で
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