打つ。/元親 ミッド
せ
鋼鉄の百合が花開くのだ。
それでも構わず叩き込め。
やがてその音に変化が現れる。
鉄パイプが土を噛み
空気を震わせていた金属音が
ゴンッ、ドゴンッ!と重たい音に変化する。
鉄パイプは打ち込まれている。
固い、固い大地に。
やがて、鉄パイプは、大地の一部のようにそそり立つ。
大地と同じように、頑なに。
初めの一撃は、てんでお話にもならなかったくせに
叩き続けて、叩き続けて、
遂には、その思いをとげたのだ。
何かをしようとすることは
この鉄パイプを打つことと似ている。
繰り返し、繰り返し、
根気よく続けなければ
なかなかに成せぬものなのだ。
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