ポイントいりません(12針)/モリマサ公
くらがりが覚醒している
背筋を伸ばすとからだがこまかく震えているのだが
それはそれ以上のことにもそれ以下のことにもならなかった
全てが語尾上げのコミュニケーションがつくりだす古めかしさで
ばかなほうががきもちいいのか
なるべく確信には触れない方向で物事をすすめていく
空間がかわいている
ほっぺたすれすれをかすめて
まぼろしのわら半紙が枯れ野原の宙を
舞う
ひゅっ
ひゅっ
破れかけている
という意味でわたしたちの肌はなにいろなのか
判断つかない
凍り付いたフロントガラス
はがすときの
がりがりいう音が文字になってあたりをよごしていく
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