雪の日に/田園
雪の日に
しんしん積もる
雪の日に
私の命が降りてくる
私の分身
私の死体
しんしんとしんしんと
降りてくる
懺悔と
嘲笑と
甘えと
闘争が
たいそう素直に降りてくる
はて大地に立つ
この私とは何
この体は何
降りてくる私と
ここにいる私
どちらが本当なのか
雪の降る日には
特にわからない
うつくしい白い 分身/死体 が
家々や人々を
うもらせる
私は人を殺し
自分も殺しているのだろう
ただここにいるだけなのに
だがおそらく
それすら幻想でしかないのだろう
私が降りてくる
私が降りてくる
戻る 編 削 Point(9)